だれだよ!USCPA簡単って言ったやつは!

公認会計士がUSCPA取得を目指します

四半期レビューがなくなる??監査法人就職事情

トランプさんがまたなにか言っているようで、上場会社の開示を四半期ベースから半期ベースに減らせないか検討を開始しているようです。

www.nikkei.com

実現するかはわかりませんが、アメリカがやれば、経団連あたりが日本もやれー!わーわーと言い出すのでしょう。

 

知らなかったのですが、英国、独国、仏国とかは四半期開示廃止してたんですね。。

 

さて実現した場合、監査法人は経済的なダメージが大きいです。

監査役協会の出した2009年のアンケートによると、四半期導入時(J-SOX導入と同時)の監査報酬は5割近く上っているようです。当然、初年度は準備等で手数がかかるので、現状これが維持されているわけではないですし、J-SOXも含まれているので5割全てが四半期要因ではないです。

http://www.kansa.or.jp/support/el011_090403_05.pdf

 

監査報酬は工数×単価で決まるのが基本です。

私の感覚だと、全工数のうち2~3割ぐらいを四半期レビューに充ててる気がします(期中実証含む)。四半期開示廃止の場合、中間監査復活の可能性もあるのでなんともですが、売上が2割程度減る可能性があり、上場会社中心で食ってる大手監査法人が大打撃を受けるのは間違いありません。

 

さて、監査法人の売上減少で記憶に新しいのが、J-SOXバブルとその後のリーマンショックによる大量リストラです。J-SOX導入直前の2006年ごろから2008年ごろは、高級ホテルで行われる説明会に行けば、リクルーターからお誘いを受けて北新地に繰り出す、面接に行くだけで内定、初任給も過去最高レベルとこの世の春を謳歌しておりました。この時期は会計士合格者数もかなり多いです。かつ、監査法人の売り上げも上記の監査役協会のレポートのとおり実際に伸びまくっています。(但し、会計士合格者多いので、米国公認会計士が就職しやすかったかというと微妙な気がします。)

しかしその直後、2009年組からは就職が激難化します。リーマンショックの影響で監査報酬の引き下げが相次ぎ、収益悪化、会計士合格者の半分ぐらいが監査法人に就職できないという時期が4年ぐらい続いたのではないでしょうか?この時期に大規模リストラもありました。結果、志望者も減りました。

最近になって東芝等の事件により監査の品質問題が浮上、これに対応するために多くの人手が必要となり、現状は売り手市場になっています。ただしここでJ-SOXと異なるのは、品質の問題なので、なかなかクライアントに価格を転嫁しにくいという点です。ボチボチは上がっていきますが、一気にはなかなか上げれていないのが実情だと思います。なので、初任給の爆上げ現象はいまのところ起きてないように思うのが残念な点。よい点として、会計士合格者はJ-SOXバブル時よりかなり少ないので、即戦力である米国公認会計士はかなり需要があります。

 

品質管理については、これからずっとついてくる話だと思うので一時的なバブルではないでしょうが、各監査法人は会計士だけでなくアシスタントの採用も進めており、これがもう一段すすむと現在の売り手市場は沈静化する可能性もあります。いまは激務すぎて、辞める人が多くその穴埋め的な要素もあるように思うので、アシスタント増えると離職率が下がる可能性も大いにあるかと。

さらに、上記の四半期開示廃止となるとインパクトがかなり多く、リストラ再来の可能性すらありえます。

 

まとめ

監査法人就職を目指す方は、いまが一番いい時期だと思います。

この業界は波があるので、3年後どうなっているかはわかりません。特に、上記の四半期開示がなくなってしまえば、人手が余ることは明らかです。

なので、急げー!さっさと合格して、監査法人で経験積んで、コンサルいって給与あげるのが良い手ではないでしょうか。