メルカリのキャッシュフローおもしろいなあ。未払金なのに負債ではない。売上なのにキャッシュは生まない。
昨日、メルカリの上場が承認され、上場書類が開示されています。
ずっと赤字の会社で、下記のような業績推移です。
営業キャッシュフローがおもしろいですね。
大赤字なのに、キャッシュフローは余裕の黒。
第4期に至っては、売上高比で73%の営業キャッシュ。これはちょっと異常なレベルではないでしょうか！！
なんでだろう？販管費も実際にキャッシュアウトしそうな広告費が中心なのに。。CSみてると、未払金が原因ですね。ちょっと分析してみます。
この未払金、おそらくメルカリ利用者からの預り金でしょう。メルカリの仕組みは、お客さん同士直接で金をやり取りせず、メルカリを通して決済することになるので、初めて買うときにはメルカリにお金を入れておく必要があります。
この入金は単に預り金なのでPL上は出てきませんね。一方で、キャッシュが入ってくるのでキャッシュフロー計算書には出てきます。
現預金 / 未払金
の単純な仕訳がたつのでしょう。なので、売上の73%が営業キャッシュとかわけのわからない現象がおきるんですね。
ユーザーはこの預けているお金はメルカリ内で循環し続け、出金することは少ないんでしょうね。そういう意味では、この未払金は負債というよりは、将来の売上につながる非常に面白い存在ですね。
おそらくですが、手数料を抜くビジネスなので商品を取り扱ったときに手数料が
未払金 / 売上高
として計上されるのでしょう。
よってこの未払金は今後のトレンドを見抜くうえで重要指標になりそうですね。
ただしおもしろいのが、この売上はキャッシュを生まないので、規模が拡大し続けないと苦しいですね。売上よりもアプリにいくら入金させるかが重要です。ユーザーにすでに入金済みの資金だけで回されてしまうと行き詰ります。
単純にPLで評価するよりもCFをベースに評価されるべき会社なのかもしれません。
まあ、売上順調に伸びてるので、当面大丈夫なのでしょう。便利なアプリですので、おもしろい存在になってほしいですね。
しかし、ストックオプション多すぎて、報告書見にくい！ページをめくれどもめくれどもストックオプション。
