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公認会計士がUSCPA取得を目指します

日経新聞の監査法人特集を見て思う事 揺れる監査法人

先日、日経新聞監査法人特集のような記事が出ていました。

www.nikkei.com

 

八田さんは、監査業界では有名で、「何をいってるんだ??」みたいな印象を持ってる人が多いように思います。なんかずれてる印象という意味で有名です。

この記事では、会計士試験簡素化に伴い、中堅会計士の質が低下し、結果、オリンパス事件、東芝事件につながった。対策として試験の難化が必要である。との論調。

さらに、監査報酬に依存する監査法人はクライアントに強く言えないので、監査以外の収入確保をせよ。とのこと。

 

私は、この意見にはかなりの違和感を感じます。

まず、現場で働くものとしては、中堅・若手は優秀な人が多く、むしろトップクラスのパートナーたちが無能になってきたと考えています。優秀だからパートナーになったというよりも、年功序列監査法人にしがみついてたので単純に上がったという人も結構多くいると思います。昔の大先生時代が良かったとは思いませんが、パートナーの小物化は間違いなくあるし、金融庁に言われるがままになんでもかんでもルールを策定し、自分の責任をある意味金融庁にぶんなげている感じがします。

わたしもパートナーに「こんな手続きは意味ないですよ。。こんな無駄よりも本当に大事なことをしましょうよ」と言っても、「わかってるけど、事務所が決めたことだからやらざるを得ない」と回答される。いやいや、わかってるならお前社員会でもなんでもなんとか対応しろよ!という感じです。役人化してますね。

次に、圧倒的な人手不足。これは本当にやばいです。多くの会計士が終電で帰り、やってもやっても終わらないエンドレス業務地獄に陥っています。これも上記と関係しますが、金融庁に逆らえないのか、何か言われるたびに、意味がないと感じるような品質管理業務が増えていきます。これに対応できるのは主査、もしくは副主査クラス以上の人たちなので、この辺りの人はただでさえ忙しい普段の業務にどんどん新たな謎の仕事が純増していきます。クライアントのためと思えば頑張れることも多いですが、もはや何のためかわからないともう思考停止してぱちぱちキーボードたたいてるだけ。

あずさの理事長は無駄な残業削減し質を確保すると言ってます。おそらくこの9時までしか仕事できないのは基本は労基対応だと思いますが(どこの監査法人も限りなくレッドカードに近い状態です。)、私はこの方向性には大いに賛同します。

いま正すべきは、

金融庁の意味不明な指導及びそれを何も考えてないえらい人たちがただへえこら受け入れる体制

②会計士もしくはアシスタントの増加及びこれを受け入れるための監査報酬単価の増額

③仕事の削減

だと思います。つまりより良い監査環境づくりです。これらが正されない限り、監査の品質の改善は見込めません。各チームは仕事に追われ、ルーチンワークをとにかくこなすことでいっぱいいっぱい、品質向上に本気で取り組めてないのではないでしょうか。もちろん、現場の人も品質管理を強化したいという思いはありますが、トップがその意味を履き違え(金融庁の言ってることすら曲解して、ただひたすら保守的なことをしようとしているようにも思える。)、変な方向に舵を切っている感じがします。

人員確保にしても、優秀な人はわざわざ苦しむために受験しようなんて考えないと思います。合格率も下げると受験者数も下がるのは目に見えており、結果的に優秀な人を逃すことにつながりかねません。よりよい監査環境を作り、ダンピングをせず、きちんとした報酬をもらい、会計士の給料も前の世代並みにする(今の若手と10年前に入社した人では、同じ職階でも年収が100万円ぐらい違う法人もあるようです。)。監査現場を魅力的にしなければ優秀な人の受験も、優秀な人の離職も防げません。

米GEの監査ではKPMGは150億円ぐらいもらってるわけです。ここまでいかなくとも、きちんと監査時間を確保できる体制が急務です。

 

八田さんや世間は違う見方をしているということを監査業界は認識すべきだとは思いますが、今回の八田さんはずれすぎていると感じました。

 

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